弁護士によってどう変わるのか
インターネットの普及により、離婚に関する情報や体験談をネットで入手することができますので、ご相談者の方にも「できれば自分で解決したい。」とおっしゃられる方もいます。
もちろん無事に解決すれば問題はないのですが、弁護士に依頼した方が望ましい案件も存在します。
例えば、財産が多く、権利関係が複雑な事案や、相手方が弁護士を選任している事案は、弁護士に依頼するメリットが大きいと言えます。
では、離婚を弁護士に依頼するメリットはどのようなものが考えられるでしょうか。私は大きく分けて3つあると考えます。
- ①自分で交渉する必要がなくなる
- ②交渉が円滑に進む
- ③事案に応じた適切な解決
①相手方との交渉不要
離婚を成立させるためには相手方と協議を行う必要があります。
当事者同士が協議を行うことにより、感情的な対立が明確になり、より協議がこじれることがあります。
弁護士にご依頼いただければ、弁護士が代理人として相手方と交渉しますので、当事者同士で話し合いをする必要がなくなります。
もちろん、相手方との交渉は、クライアントに進捗状況を報告し、意向を確認しながら進めることになります。
一方、当事者同士での交渉していたところ、相手方が弁護士を選任することがあります。
この場合、あなた自身が相手方の弁護士と交渉することになりますが、通常、あなたと弁護士では、法的知識と交渉の経験に大きな格差がありますので、対等な協議を行うことは困難でしょう。
このような状況では、弁護士を選任する必要性が高いと言えます。
②交渉の円滑な進行
離婚は男女問題という性質上、感情が密接に関係してきます。
そして、単なる口論ではなく、夫婦間で離婚を協議する段階に至っては、性格の不一致や異性関係、浪費するなど理由は様々ですが、相手に対して離婚したいほど感情が悪化していることが通常です。
夫婦の一方でもこのように感情が悪化した状態では、夫婦間で冷静に話し合うことが困難であることは当然です。
実際、夫婦のどちらかが離婚の話しを切り出し、離婚について協議を始めたけれど、「お互いに感情的になり、議論が進まない。」というケースがよく見受けられます。
それでも、「弁護士に頼むとお金がかかるから」という理由で、当事者で解決しようとする方が多いのですが、一旦夫婦間でまとまらなかった協議は、再度話し合ったとしても解決することはあまりありません。
早い段階で弁護士が介入することにより、弁護士は、協議内容を離婚時に取り決めるべき事項について、その判断に必要な「争点」を洗い出したうえで、相手方と協議します。
当事者同士では、この「取り決めるべき事項」と「争点」を明確にして協議することはなかなかできるものではありません。感情的な気持ちが前面に出てしまうからです。
弁護士が相手方と協議することで、円滑に交渉が進行し、早期解決が実現することが往々にしてあります。
③事案に応じた適切な解決
クライアントの求めるものは、早く離婚したい、財産分与として自宅を取得したい、養育費を月々いくら欲しいなど、人により様々です。
代理人として行動する以上、クライアントの希望に少しでも近づけるよう全力で交渉を行います。
一方で、弁護士は、依頼者から一歩距離を置き、依頼者の希望が本当に依頼者にとって最良の結果となるのかを検討します。
クライアントはどうしても目の前の問題に目が行ってしまいがちですので、弁護士は法的観点から事案に応じた見通しを説明し、クライアントもその説明を踏まえて希望の条件を改めて考えることができます。
また、弁護士は事案に応じて財産分与や慰謝料などの落としどころを把握することができますので、相場からかけ離れた不利な条件で離婚をしてしまった、という事態を避けることができます。
このように、最終的にどうするかはクライアントの意思に基づきますが、弁護士にご依頼いただければ、見通しや相場、リスクなどを踏まえて離婚の条件を検討することができるようになります。
以上のように、確かに費用はかかりますが、離婚を弁護士に依頼することには大きなメリットがあります。
私は、クライアントとの間で、離婚後の生活についても十分に話し合って方針を決めることができるよう、クライアントとの対話を重視した事件処理を心がけております。
まずはお気軽にご相談いただければ幸いです。