公務員
夫婦のどちらかが公務員であったり、夫婦ともに公務員である場合の離婚では、退職金、年金、共済貯金について以下のような特徴があります。
順番にご説明していきます。
1 退職金
すでに受け取っている退職金は婚姻期間に応じて財産分与の対象となりますが、将来受け取るであろう退職金が財産分与の対象となるかについては、退職金を受け取る可能性に応じて個別に判断されることになります。
公務員の場合、行政機関が倒産することはまずあり得ないことから、将来退職金を受け取る可能性が高いため、退職金が財産分与の対象となるケースが多くなります。
退職金が財産分与の対象となるとしても、その他にも、退職金の評価方法や支払時期、婚姻期間のうち対応した部分のみ(婚姻成立から離婚成立まで)を対象するのかなど、財産分与の対象範囲を事案応じて検討する必要があります。
2 年金
公務員は地方公務員共済、国家公務員共済といった共済年金に加入しているので、 離婚の際に年金分割の請求をすることができます(平成27年10月に共済年金制度は廃止され、厚生年金保険制度に統合されました)。
そして、公務員の年金の額は、一般的なサラリーマンの年金よりも高額となるケースが多いため、
3 共済預金
公務員の場合、共済組合が民間銀行より利率が高いことから、多くの人が共済組合に貯金しています。
そのため、財産分与の対象財産を調査する際は、民間銀行の預金だけではなく、共共済組合の貯金も確認する必要があります。
以上のとおり、公務員の離婚では他の業種と異なる点がありますので、相手方の財産を正確に把握し、不利益を被ることがないよう、早めに弁護士にご相談ください。